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今だけしか仕込めない新NISAの合理的な出口戦略 | 2024.09.02

当記事は広告を含みます

年間投資限度額を上限に投資する銘柄を分散

先日このようなポストをしました。

このポストを少し補足して解説します。

試算表の前提条件

  • 新NISA成長枠を毎年240万投資して最短5年間で満額にする
  • 最も人気の指数と思われるS&P500を年利7%として試算する(ショック相場を含む平均値)
  • 運用会社による運用成績の乖離は考慮しない

上段の試算では同じ銘柄のS&P500(例えばeMaxis Slim)に5年間で満額にして20年間運用した場合です。
掛け金1,200万円に対して約3.800万円の評価額になります。約3.17倍に増えました。

カモメさん

重要なのは表の赤文字部分!

新NISAは売却すると売却した額の元の掛け金の額だけ、枠が再利用できます。元の掛け金です。仮に500万売却しても元の掛け金が100万円から成長した額であれば、100万円しか枠が戻りません。この仕組みがとても重要です。

うみねこさん

良い投資信託が発売されたから新NISA内の投信売却して、新しい投信に入れ替えたい!

うみねこさんみたいに思うこと…将来ありそうですよね?だって非課税だから。
同じベンチマークに投資する信託報酬が1/10の投信が発売されたら、銘柄入れ替えたいですよね?だって非課税だから。

この場合、上段の試算表のように、同じ銘柄1つに積立てしまっていることが不利になり、下段試算表の複数の銘柄に年間限度額ずつ振り分ける方が有利になります。20年間の運用でその差は約100万円の試算結果です。

もう少し詳しく。続きます。

評価額の合算を避けると合理的

上段の試算表では同じ銘柄のS&P500(例えばeMaxis Slim)に5年間で満額にして20年間運用した場合です。
掛け金1,200万円に対して約3.800万円の評価額になります。約3.17倍に増えました。

つまり、年間投資限度額240万円をフルに再利用するには240万×3.17の約760万円を新NISAから抜かないといけないのです。これは1つの投資信託に投資し続けているため評価額が合算されてしまうからです。

対して下段の試算表のように、5つのS&P500投信に240万円ずつ分散していれば評価額の合算が行われないので、20年後の投信の上昇率が投信毎に異なります。ショック相場がないと仮定すれば、5年目に満額にしたS&P500投信が評価額が低く約660万円で2.76倍。

この場合、年間投資限度額240万円をフルに再利用するには240万×2.76の約660万円を新NISAから抜くだけで事足ります。(言い換えると、評価額の一番低い銘柄を売却する)

前者が760万売却。後者が660万円の売却。新NISAに残る投信の評価額に100万円の差が出てきますね。
もちろん売却して手に入れた現金を合計すれば保有資産に違いはありません。

ですが、非課税口座である新NISAに残る額が多ければ多いほど資産運用に有利なのは明らかだと思います。

新NISAつみたて枠は1投信120万まで 成長枠は1投信240万まで の各5種類が理想

S&P500である程度の純資産額がありコスト0.1%以下の投信はこんなにあります。(2024年9月時点)
証券会社によって買える買えないはあると思いますが、5つは選べるとします。

  • 楽天・S&P500インデックス・ファンド
  • つみたてiシェアーズ米国株式(S&P500)
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • たわらノーロードS&P500
  • はじめてのNISA・米国株式(S&P500)
  • SBI・V・S&P500インデックス
  • iシェアーズ米国株式(S&P500)インデックス・ファンド
  • SMBC・DCインデックスファンド(S&P500)
  • My SMT S&P500インデックス

先ほどの資産の100万円を超える差が運用会社によって出てくるかどうか…保証はできませんが、実績に大きな違いは出てこないと思われます。そして、つみたて枠と成長枠は合算されない。

個別に売却できる選択肢を将来を見据えて計画的に準備しておく。投信の銘柄分散は、今だけしか仕込めない新NISAの合理的な出口戦略

と言えるのではないでしょうか。

投資信託やETF選びならこの記事が便利

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