トライオートETF TQQQ 乗り換え戦略 | 金利負担を最小限に

インヴァスト証券のトライオートETF、TQQQの金利問題が話題です。
まず2023年4月時点の状況を整理します。
- トライオートETFの金利急上昇
- 長期保有中のTQQQ建玉の金利負担が余りにも重い
- 決済まで保有していても金利負けするかもしれない
- 相場状況を鑑みるにその決済がいつになるかも不透明
- 早めの損出しとTQQQの乗り換えを検討する方が良いかもしれない
私は少しずつ乗り換えと積立を進める予定ですが、TQQQをまるっとTQQQで買い戻すことはしません。

このカモメさんは何言ってんの?
て思いますよね。なので最初に私のTQQQ買い戻し代替案のポートフォリオをお見せします。
カモメうみねこトライオートETF TQQQの代替案ポートフォリオ


- TQQQ(プロシェアーズ・ウルトラプロ QQQ)
- SPXL(Direction S&P500ブル3倍)
- TMF(Direction 20年超米国債ブル3倍)
- DRN(Direction リートブル3倍)
TQQQだけGMOのCFDで買い戻し、他はアセット分散してDMMの現物で買い戻します。
なぜこのようなポートフォリオで買い戻すのか。順に解説します。


2023年4月時点 TQQQを運用できる口座
CFD
- インヴァスト証券:トライオートETF
自動売買あり - GMOクリック証券
自動売買なし - IG証券
自動売買なし
現物
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
- PayPay証券
- DMM.com証券
*TQQQではなくSPXL(S&P500ブル3倍)
まずTQQQを売買できる口座一覧です。私の知る限り以上です。
CFDで買い戻すならGMOクリック証券
CFDのコスト最安はGMOです。
但し、自動売買機能はありません。また、指値有効期限が2週間なのが手間になります。
買い戻し先なのでリピートする必要はなく指値期限も問題にならないので、CFDで買い戻す場合はGMOでほぼ決まりです。IG証券は買えないものはないくらい何でも買えて便利ですが、コストではGMOに劣ります。
TQQQで買い戻すならGMO。それ以外の銘柄で買い戻すならIG証券になります。
現物で買い戻すならPayPay証券かDMM.com証券
結構意外な選択になっていると思いますが、色々考えるとこの2択になると思います。
DMMはTQQQを扱っていないですが、SPXLならあります。異なる指数ですが、人によっては選択肢になりうると考えています。あくまでTQQQに拘るならPayPay証券。近似の3倍ブル指数でも良いならDMMも選択肢です。



現物も検討するの?



そうだよ
今だからこそ。だね
なぜ現物が選択肢になるのか。どうしてこの2択なのか。
続けます。
TQQQはCFDか?現物か? 2023年4月時点の価格で考える
TQQQ価格:約26USD
この価格帯。超重要だと思います。
これなら現物で保有するのも有力な選択肢になります。
理由は以下の通り。
- 相場状況は不透明でインフレと高金利は継続中
- 価格が安すぎてレバレッジをあまり掛けれない
- 長期化を覚悟すると今の高い金利を払ってまで低いレバレッジを掛ける価値が乏しい
- 現在の為替レートから円安に振れる場合の現金余力を用意するとレバレッジが実質無効化される
1は私の読者さんなら説明不要ですよね。では質問します。



この状況でTQQQをCFDで持つとしたらロスカットレートはいくらにしますか?
おそらく…10USDくらいが普通の感覚だと想像します。
レバレッジ1.5倍くらい…かな?
そしてさらに、ドル円為替レートも130円で円高と言われてしまうご時世。USDJPY=150円の円安を警戒して多めの現金余力を用意すると実質レバレッジはさらに下がります。
以下の表にまとめます。
TQQQ価格 26USDの場合の比較表
CFD | 現物 | |
---|---|---|
レバレッジ | 1.5倍程度 | 1.0倍 |
金利負担 | あり | なし |
ロスカットレート | 10ドル程度 | なし |
ロスカットリスク | あり | なし |
メンタル負担 | 強め | そんなでもない |
為替変動による必要資金の増加 | あり | なし |
保有していると | 配当より金利が高い | 配当が貰える |
レバレッジが何倍でも金利は同じ。低レバレッジな程、金利を払う価値が乏しくなります。
言い換えると、期待値が優劣つけ難く、現物保有の価値が高まっている状態に今ならある。ということです。(2023年4月)



どちらを選びますか?



いや…それでも微妙だって
保有額や相場観、投資目的の違い、CFDと現物の税区分の違いによる損益通算の可否などCFDを選ぶ方も当然いると思います。最初は低いレバレッジでも、価格上昇に伴い証拠金を調整して資金効率を上げることも出来ます。
私の代替案ポートフォリオのように8割を現物で持ち、2割をCFDのハイレバで持つ。と両方持っても良い。もちろん5割5割でも良い。0割10割でも良い。現物も検討したことがあるけど止めた。が価値になります。
twitterで仲良くさせていただいている「おにーさん」と「となりんさん」もこう話されていました。ご許可をいただきツイートをお借りしています。前後の会話も示唆に富み学びがあります。
数字を今のドル円レートに例えると…
1口1万円の銘柄。150口をCFDでレバかけて120万円で買う。でも為替変動が心配だから150万円用意しておく…
あれ?それなら始めから現物で150口を150万円で買えば良いじゃん!
てことですね。
現物で買うならどの証券会社が良いか?
ひとまずTQQQを置いといて、米国株取引の各証券会社の基本スペックを理解しておきましょう。
米国株取引における各証券会社の特徴まとめ
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス 証券 | PayPay証券 (米国市場時間外) | PayPay証券 (米国市場時間内) | DMM.com 証券 | |
---|---|---|---|---|---|---|
取引手数料 | 0.495% | 0.495% | 0.495% | 0.700% | 0.500% | 0 |
最低手数料 | 0 | 0 | 0 | 0.700% | 0.500% | 0 |
最高手数料 | 22USD | 22USD | 22USD | 0.700% | 0.500% | 0 |
為替手数料 (1USDあたり) | 25銭 | 25銭 | 購入時:0 売却時:25銭 | 35銭 | 35銭 | 25銭 |
決済 | 米ドル | 米ドル | 米ドル | 日本円 | 日本円 | 日本円 |
為替差益 | 発生する | 発生する | 発生する | 発生しない | 発生しない | 発生しない |
銘柄数 | 約6,000 | 約4,500 | 約4,500 | 約150 | 約150 | 約1,600 |
TQQQ | あり | あり | あり | あり | あり | なし |
メリット | 米株の貸株可能 SBI銀行で為替手数料節約可能 | 買付手数料無料ETFが多め | 特筆なし | 1,000円単位で売買 | 1,000円単位で売買 | 米株で信用取引可能 配当が日本円受け取り |
デメリット | 株価が15分遅れ | 為替手数料の節約ができない | 特筆なし | 手数料高め 成り行き注文のみ | 手数料高め 成り行き注文のみ | 配当受け取りの為替手数料が100銭 |
*PayPay証券では米国市場オープン時間外での売買はコストが高くなります。必ず米国市場オープン時間内に取引を行うようにしてください
この比較を見るとSBI、楽天、マネックスの3社は誤差。口座をまとめて管理したいなど利便性で選べば良いと思います。
なので、大手ネット証券3社とPayPay証券とDMM.com証券の比較になります。



表は分かりやすいけど…決め手が分からん!



良い質問
確定申告が楽なのはPayPay証券とDmm.com証券
売買も配当も全て円取引で為替差益が発生しないからです。
大手ネット系証券会社で米国株を購入される人も多いですが、きちんと税制を理解しているのか心配です。税制を理解していたらそう簡単に手を出せる投資ではないはず。私は税理士ではないので、法律上詳しく解説できませんが、税務署や税理士に一度確認することを強くお勧めします。
私は過去に大変な事になって凄く苦労した経験があり、それ以降は現物の米国株を外貨取引では絶対に買わないと誓いました。
よって、私が現物を購入するならPayPay証券かDmm.com証券の2択になります。
PayPay証券を選ぶ理由(現物)
- TQQQをTQQQで買い戻したい
- 購入金額が少額なので1,000円単位だと助かる
- 少しずつ積立したい
PayPay証券は少し割高ではありますが、1,000円単位で売買できる事と確定申告が楽になる事を考慮すると十分にペイできるコスト差だと考えています。お小遣い投資にも最適です。
銘柄数が少ないのはデメリットですが、TQQQは扱っていますしETFは必要十分に充実しています。
ETF(米国を中心にその他諸外国含む)






引用元:PayPay証券公式ページhttps://www.paypay-sec.co.jp/base/brand/brands.html
PayPay証券のその他手数料を確認する
口座維持費
口座維持費は無料です。
PayPay証券から銀行への出金手数料
みずほ銀行以外宛 | みずほ銀行以外宛 | PayPayマネー | ソフトバンクカード | d払い残高 | |
---|---|---|---|---|---|
3万円未満 | 110円(税込み) | 275円(税込み) | 0円 | 0円 | 0円 |
3万円以上 | 220円(税込み) | 385円(税込み) | 0円 | 0円 | 0円 |
PayPayマネーの出金手数料
PayPay銀行 | その他の金融機関 | |
---|---|---|
100円以上 | 0円 | 100円 |
PayPay残高でPayPayマネーのみ出金が可能です。
なのでPayPay証券から出金はPayPayマネーを経由してPayPay銀行に出金するとコストセーブになります。
おいたまま買い付け
連携先の銀行口座、PayPayマネー・ソフトバンクカード・d払い残高から株式等を購入する場合 | |
---|---|
2万円未満 | 1回あたり110円(税込み) |
2万円以上 | 無料 |
証券口座に入金の手間が不要な「おいたまま買い付け」ですが、PayPayマネー以外は購入単位が1万円単位になってPayPay証券のメリットをつぶしたり、2万円未満では1回の取引で110円の手数料が必要になるので最初は使わない方が良いと思います。
ポートフォリオ規模が大きくなり1回の購入単位が1万円を超えてから便利になる機能だと思います。



それまではネット銀行から手数料無料で証券口座に振り込むのがいいね
DMM.com証券を選ぶ理由(現物)
- TQQQをTQQQで買い戻すことに拘らない
- 購入金額が大きいので、口数の売買に不都合がない
- コスト安い
論点になるのは最初の項目だけでしょう。
TQQQの乗り換えなのにTQQQを買えないなら話にならない。と普通は考えますよね。



しかし私はそうは思っていない
このTQQQの件に限らず、私の基本的な考え方ですが、損出しの買い戻しを同じ銘柄でする必要はないと考えています。
損出ししたら同じ額の拘束資金で最も有利な銘柄に乗り換える
これが私の損出し買い戻しのルールです。同じ銘柄が有利なら同じ銘柄。これからの相場は他の銘柄が有利だと思えばあっさりと乗り換えます。損出し分を取り返せれば何でも良いのです。
そしてDMMの米国ETFは以下の通り豊富に揃えています。
ETF




現物を選ぶ大きなメリットが他にも
PayPay証券とDMMが扱うETFを見ていただけると分かると思います。
TQQQと同様の3倍ブルETFが他のアセットにもたくさんあり、選択肢が一気に広がります。
そして私はTQQQに拘らず有利なアセットに乗り換えるスタイル。CFDと現物の差は今ならさほど大きくない。



ということは…
カモメうみねこトライオートETF TQQQの代替案ポートフォリオを解説
あくまで私個人の意見ですが、2023年4月時点、3倍レバレッジ指数系でTQQQが最も有利だとは思っていません。
特定の銘柄を推奨する意図はないので…このポートフォリオを見て汲み取ってください。再掲します。


- TQQQ(プロシェアーズ・ウルトラプロ QQQ)
- SPXL(Direction S&P500ブル3倍)
- TMF(Direction 20年超米国債ブル3倍)
- DRN(Direction リートブル3倍)
株式4割。債券4割。リート2割。
現物8割。CFD2割。



なんとなく分かるような…
ヒントちょーだい!
各アセットの2023年4月時点の価格(引用元:Bloomberg)
SPXL


TQQQ


TMF


DRN





まとめます
代替案ポートフォリオの意図
- 株式、債券、リート。全てが安値圏
- 同じタイミングで全アセットが上昇するとは思えない。どれかが先行して割高になり、どれかが割安になる
- 選考して上昇したアセットから売却し、売却益で安値圏に残るアセットを買い増しする(リバランス)
- 株式をSPXLとTQQQに分けて早期償還リスク対策
- DMMの現物保有で金利コスト大幅削減。TQQQの扱いは無いがGMOのCFDで購入する
- CFDの金利負担は現物の配当でカバーする
- 現物8割なのでCFDのレバレッジを攻められる(実質120%分を保有)
- 現物8割なので為替変動による証拠金増加の影響が少ない
- CFDの価格が上昇したらロスカットレートを引き上げ資金節約
- ポートフォリオのアセット比率は柔軟に変更
私が現物も柔軟に選ぶのはFXなど他の資産運用があるので損益通算と損失繰越が可能だからという理由もあります。
ご自身の状況と相場環境をよく考えてご検討ください。
CFDと現物では税制区分が異なるので、持ち直すならCFDしかない。という方もいらっしゃると思います。その場合は全てGMOでしょうね。
GMOで扱うレバレッジ指数ならTQQQの他にUDOW(ダウ3倍)があります。2023年4月時点では約56ドルなので、レバレッジ判断が変わります。おなじ税制区分なら銘柄変更しても問題ないので、TQQQを損出ししてUDOWで持ち直す。も選択肢になるかもしれません。
但し、NASDAQとDOWはそこそこ値動きが異なることと、2023年4月時点では両者の下落余地に差がありそう。ということはお伝えしておきます。
もう1つの全く異なる思想の選択肢(おまけ)
全く思想が異なりますが、ある意味「王道」とも言える選択肢です。
レバレッジNASDAQの投資信託(楽天レバナスなど)や国内ETF(2869)の現物で買い戻し、auカブコム証券かDMMで代用FXの資金にする (*但しレバレッジ2倍になる)
どうせ現物買うなら代用FXに利用しちゃおう!ということですね。
代用FXに関してはこちらの記事をご参考ください。


私はこれは行いません。
理由は既に必要十分な代用できる株式を保有しているからです。代用よりもレバレッジ3倍を優先したいです。
株式をあまり保有していない方には良い選択肢だと思います。
3倍ブル指数で作るバランスファンド
これはCFDと現物の差が小さい好機を利用した、オリジナル3倍ブルバランスファンドの運用です。
これにより金利負担を大幅に削減し、それどころか配当を貰う。
その配当でCFD金利を埋め合わせ、レバレッジの上昇益を欲張りに狙う。
レバレッジETFなので横横相場での弱さは気になりますが、トライオートETFのTQQQからの乗り換えなので3倍ブル指数の構成になります。インパクトが強めに見えるも…もしレバレッジなしの通常のETFでこのバランスファンドを組んでいるとしたらどうでしょうか?
株式4割。債券4割。リート2割。株式には少しCFDをミックス。
結構堅実じゃない?



似た構成比率の投信があったような…?



最後に。皆さん
現状保有口数で年間の金利負担額がいくらになるか計算しましたか?
それはどうしても耐えられない額ですか?
損出しを行うのは今年が最適ですか?
損益通算可能ですか?
損出しは買戻しを行うにしても精神負担の大きい判断になります。
当記事では私が予定している乗り換え戦略を紹介していますが、真似する必要はありません。
パニック相場中ではありません。勢いで決めないように。
「これだけ考え抜いて決めたことだから失敗だったとしても後悔しない」
と思えるような判断を。その助けに当記事がなれば幸いです。